日本初の私立美術館、
100年ぶりに
神戸によみがえる

明治23年(1890)9月6日、神戸市布引の川崎邸(現在のJR新神戸駅周辺)に日本初の私立美術館「川崎美術館」が開館しました。創設者は川崎正蔵(1837~1912)。川崎造船所(現川崎重工業株式会社)や神戸新聞社などを創業した、近代日本を代表する実業家です。


明治時代、急速に西洋文化の流入と廃仏棄釈が進むなか、古美術品の海外流出を憂慮した川崎正蔵は、日本・東洋美術史を彩る優品を幅広く収集し、一大コレクションを形成しました。そのコレクションを秘蔵することなく、公開することを目的として、日本初の私立美術館「川崎美術館」は誕生します。川崎美術館は、大正13年(1924)の第14回展観(展覧会)まで活動していました。


残念ながら、昭和2年(1927)の金融恐慌をきっかけにコレクションは散逸し、川崎美術館の建物も水害や戦災によって失われてしまいましたが、川崎正蔵が愛した作品は、今なお国内外で大切に守り伝えられています。本展では、珠玉の作品が再び神戸に集い、約100年ぶりによみがえる川崎美術館へと皆さまをご招待します。

川崎美術館を彩った
応挙の障壁画

円山応挙「海辺老松図襖」

川崎美術館では、南禅寺の塔頭・帰雲院に伝来した円山応挙(1733~95)の障壁画が用いられていました。大乗寺客殿や金刀比羅宮表書院の障壁画も手がけた天明7年(1787)、応挙全盛期の作品です。「海辺老松図襖」では、しなやかな松樹や土坡、海、川というわずかなモチーフで、広やかな海辺の空間を見事に描いています。


川崎美術館では、この襖の前に掛軸や工芸品などを陳列し、展観(展覧会)が行われていました。本展では、そのうち上之間・広間・三之間の3室の襖を再現展示し、往時の川崎美術館の空間を追体験いただきます。


「海辺老松図襖」 円山応挙筆 天明7年(1787) 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives 東京国立博物館から提供の画像を加工

"名誉の屏風"
海外からの
初の里帰り公開

狩野孝信筆「牧馬図屏風」

「牧馬図屏風」 狩野孝信筆 桃山~江戸時代・16世紀後期~17世紀初期 個人蔵

明治35年(1902)、明治天皇の神戸行幸に際して、川崎正蔵は舞子の行在所(有栖川宮舞子別邸)に金地屏風5双を用意するよう命ぜられました。本作品はそのうちの1双です。明治天皇の叡覧の栄に浴した作品として、当時の新聞記事では"名誉の屏風"と紹介されました。


作者は狩野孝信(1571~1618)。巨木を近接拡大した構図をとる父・永徳の様式と、最小限のモチーフと広々とした余白で瀟洒、幽美と称される息子・探幽の様式をつなぐ時代の作品です。制作から約400年の時を感じさせないほど、極めて良好な保存状態であり、川崎正蔵をはじめとする歴代の所蔵者に愛蔵されたことがうかがえます。


長らく行方がわからなくなっていましたが、近年海外で再発見され、本展覧会で里帰りを果たし、日本の展覧会では初公開となります。

開催概要

展覧会名

神戸市立博物館開館40周年記念特別展

よみがえる川崎美術館 ―川崎正蔵が守り伝えた美への招待―

Kobe City Museum 40th Anniversary Exhibition :
An Invitation to a Revival of Kawasaki Art museum - Japanese and Oriental Art Collected and Bequeathed by Kawasaki Shozo

会期

2022年10月15日(土)~12月4日(日)

  • ※会期中、展示替えがあります

会場

神戸市立博物館

〒650-0034 神戸市中央区京町24番地

主催

神戸市立博物館、神戸新聞社、毎日新聞社、NHK神戸放送局、NHKエンタープライズ近畿

特別協賛

川崎重工業株式会社

協賛

公益財団法人 日本教育公務員弘済会兵庫支部

お知らせ

2022年2月4日

公式サイトがオープンしました。

  • Twitter
  • Facebook